WHY I DO ?

私が今やる理由

なぜ私が、ここ日本で、今やる必要があるのでしょう。


『なぜ日本なのか』
日本は極東とも言われ、つまり東のいちばん端っこです。その東には地球で最も大きな海である太平洋が広がっています。OKYAの実現しようとしているヨット型ドローンは風況が良い海域で活動しながら、悪天候の予測の際は予め遠方に一時退避する運用を目指しています。そのため、移動可能な水域は広い方が望ましいのです。

海洋は対流を繰り広げていますが、最も大規模な海流が日本のすぐそばを流れている黒潮です。黒潮のある海で活動できるヨット型ドローンであれば、他の海においても問題なく活躍できることでしょう。また、日本の太平洋側では黒潮と親潮が潮目でぶつかり合い沖合へと流れていきます。ヨット型ドローンを太平洋の中央部に送り込みたい場合、自然の発射台として利用できないかと考えています。

 

日本の太平洋側の沖合は海底構造が急峻で、すぐに深くなってしまいます。浅い海底に構造物を固定する場合はアンカー等で事足りるかもしれません。水深の深さに影響されずに同じ海域を維持できるヨット型ドローンは、特に日本でこそ必要とされると考えます。台風が発生する日本の海では、”移動が可能である”ということも長所となります。

日本は水産資源に恵まれ、消費量も多い国です。これからの持続可能な水産業のためには、海洋の多様な情報が必要とされています。


『なぜ私なのか』
私は福島県の海沿い楢葉町に生まれ育ちました。東日本大震災で原子力発電所の事故で立ち入り禁止区域にされた町のひとつです。ここは北の福島第二原子力発電所と、南の広野火力発電所に挟まれた町。大人になったら発電所に就職してエネルギーを作る仕事に就けば地元で生きていけるかな、と漠然と考えていました。

父は建設関係の運転手で、休日は車の修理やメンテナンスの手伝いに駆り出されます。手を油で汚しながら働く父の姿や、連れて行ってもらう自動車修理工場を見て機械に興味を持っていきました。
母は、私に解らない事があると「辞書引け!」「地図見ろ!」と言う教育熱心な人でした。工夫するのが大好きで、「これ特許取れるかな?」とニコニコしながらアイデアを聞かせてくれました。
そんな環境の中で育ち、私は自然と「今までに誰もしたことがない方法でエネルギーを作りたい」と考えるようになっていました。

しかしそんなアイデアは簡単に思いつくものでもなく、私は学校を卒業し就職して茨城県に来て、会社の先輩の紹介でウィンドサーフィンを始めます。

マリンスポーツに興味があったわけではありませんが、楽しくてすっかりはまってしまいました。ウィンドサーフィンでは”シバーリング”といってセイルを操作して洋上の同じ位置にとどまる乗り方があります。レースでスタート位置で待機する時などにされます。国体選手のシバーリングを間近で見た時、本当にピタっと止まっているようでした。

ウィンドサーフィンは適度に強い風が吹くとプレーニングといってボードが水面からリフトし、水面の抵抗が少なくなるため滑走状態になってもの凄いスピードが出ます。これが非常に爽快で、風が吹く予報を見ると前日からソワソワします。しかし予報が外れ吹かない時は、風の実況データを見て「あそこなら吹いているのに~」となります。

エネルギーの事を忘れかけてたある日、風力発電に関するテレビを見ました。

『風が吹かないと発電しない』『居住地域の近くではノイズや景観の問題で敬遠される』『海に風車を浮かべることができるが、日本は海底がすぐ深くなるためコストがかかる』など、ネガティブなコメントが多く聞かれた。その瞬間、頭の中で今までのことが繋がります。

水深に関わらず洋上で同じ場所をキープできるシバーリング。地球上の何処かで吹いている風。新しい居所が望まれる風車。
そして誰も見た事のない発電方法!海の風の吹いている場所にあわせて風車を移動させるアイデアの誕生です。

エネルギーと機械に興味を持ち、新しいアイデアを考えることが大好きで、ウィンドサーフィンに出会い、
風のことを考えた私だからこそ思いつけたのではないかと思います。


『なぜ今なのか』
世界では異常気象による災害が頻発し、様々な原因説が提唱され、今後の展望が示されています。しかし私たちはもっと精度の高い予測で、来週、明日、このすぐ後の事が知りたい。その為にはもっともっと多くの情報が必要です。

宇宙開発が身近なものになり、インターネットや携帯電話網は拡大し続けています。自動運転技術の高度なセンシング技術では様々な情報を取得し蓄積しています。人工知能は人間を超越した実力を見せ始め、ビッグデータは今まで気付かなかった真実を見つけ出します。

半導体の高密度・高精細化はパッケージの小型化と省電力化に寄与し、少ない電力でも長期にわたって駆動することが可能です。ロボット開発では多様な用途で登場する機会が増えてきました。。10年前、これらの発展をどれだけの人が認識できていたでしょうか。

今まで知ることが難しかった海。遠くて、広くて、大変だった海。今なら、今使えるようになってきた技術を組み合わせたら、きっと手が届きそうな気がしませんか。だから、私達は ≪今≫ 始めることにしました。

 

セイリングは『洋上のチェス』と呼ばれる戦略的なスポーツ
今では、チェスのみならず将棋や囲碁すら人工知能が人間を超えた
人がセイリングで海を渡れるなら
宇宙から天候を俯瞰して人工知能が操れば
『自動航行ヨット型ドローン』だって
実現できるはず

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